駆け出し外資サラリーマンの投資日記

駆け出し外資サラリーマンの雑記

米国株投資、ビジネス、IT、マンガ、ライフハックに興味があります。自分の関心事や考えたことを書きます。


【仕事】なぜ、プロジェクトは炎上するのか?~途中で人を増やす⇒火に油を注ぐことになる理由


プロジェクトが炎上(遅延)する理由は多々ありますが、私が経験したプロジェクトで感じたことを書きたいと思います。

プロジェクトの遅延はある日突然起きるものではなく、日々少しずつ遅延した作業が積み重なったものです。

プロジェクトメンバーは自分のタスクが遅延してもすぐに挽回できると考え、すぐにリーダーに遅延していることを報告しません。プロジェクトメンバーは自分では遅延を到底取り戻せないと感じたある日、リーダーに報告します。リーダーからすれば、順調だと思っていたプロジェクトがある日突然炎上し、問題が一気に顕在化してきます。

そこでリーダーの多くは間違った手を打ちます。それはプロジェクトの期日は変更せず、人を増員することで対応することです。

プロジェクトの費用=1か月あたりの1人の人件費×人数×期間 で計算できますが、プロジェクトの生産性は、費用の式と同じにはなりません。人と作業時間は交換不可です。人を2倍に増やせば、作業が2倍早く終わるわけではありません。しかし、リーダーは費用の見積もりと同じ感覚で人を増やせば増やすほど生産性が上がり、プロジェクトの期限は守れると勘違いしているケースがあります。

プロジェクトの人数を20人⇒30人に増員したからといって、プロジェクトの生産性は1.5倍にならないのです

なぜ、プロジェクトメンバーを増員しても生産性が上がらないのでしょう?

仮に増員した場合、もともと在籍していたメンバーが、プロジェクトに新しく入ったメンバーにプロジェクトの経緯、進め方、問題点を共有すること/フォローに時間がかかり、自分の作業時間がなくなってしまいます。結果、プロジェクトはさらに炎上します。良かれと思ってやったリーダーの施策がプロジェクトの火に油を注ぐことになります。つまり、即戦力を追加するといえば聞こえは良いですが、新規メンバーを教育する時間とコストを考慮されていないのです。

ある程度経験を積んだリーダーは炎上しているプロジェクトで人を増やしても逆効果であることはわかっているのに、なぜ同じ間違いを繰り返すのでしょう?

その理由は2つあると思います。

①プロジェクトの延期を上司/クライアントに進言や説得ができない→延期を申し出るのはかなり勇気がいります。上司/クライアントから延期の理由を問われます。行き着く結論は大体同じでリーダーの監督不行届とされ、自分の評価が下がる可能性があるから言いづらいのです。

②人を増員することで炎上が収まったケースがあり、その成功体験に依存してしまう

②が有効なケースは、考える作業はなく、誰でもできる単純作業の人手が足りない場合に限ります。コンビニのレジがワンオペで混雑している際に、もう1つレジを開放することで混雑を解消できるというのがわかりやすい例です。

リーダーは、プロジェクトが炎上している問題を考える作業で行き詰っているのか、単純作業の人手が足りないだけなのかを切り分ける必要があります。考える作業は人手が不要で、じっくり考える時間こそが必要なのです。問題を切り分けず、人海戦術に頼るだけであれば、リーダーの存在意義が薄れていきます。

 

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