【仕事】最初の方向性を誤ると、時間が経過するほどに軌道修正は大変になるという話
最初の方向性を誤ると、時間が経過するほどに軌道修正は大変になることを最近仕事で痛感しています。この事象を一般化して、アルバイトの例で考えてみます。
定食屋で働くアルバイトA君(時給:1000円)は店長からご飯に合う煮込み料理を作るように指示がありました。
A君は店長に「煮込み料理とは具体的に何をイメージしていますか?」と聞きました。すると、店長から「具体的な料理は決めてないから、君の思う料理でいいよ」と言われました。そこでA君は下記のような工程でチキンカレーを作ることにしました。
【工程】
①作る料理と材料を考える(所要時間:20分)
<カレーを作る場合:材料費1000円>
・カレー粉
・ジャガイモ
・にんじん
・タマネギ
・チキン
<ハヤシライスを作る場合:材料費1000円>
・ハヤシライスの素
・牛肉
・マッシュルーム
・タマネギ(カレーと共通):100円
②材料を買いに行く(所要時間:30分)
③材料を切る(所要時間:10分)
④材料を煮込む(所要時間:30分)
次に、A君と店長のやり取りと作業について下記の3パターンを考えてみます。
【ケース1:A君と店長の考えていることが一致し、作る料理がカレーだった場合】
■全体の所要時間=①+②+③+④=90分
■カレー作成にかかった費用=2500円
<カレー作成にかかった費用の内訳>
・A君へのアルバイト代(1000円×1.5時間)
・カレーの材料費(1000円)
【ケース2:②の直後に店長からハヤシライスを作るよう指示があった場合】
■全体の所要時間=①+②×2回+③+④=120分(2時間)
■ハヤシライス作成にかかった費用=3900円
<ハヤシライス作成にかかった費用の内訳>
・A君へのアルバイト代(1000円×2時間)
・カレーの材料費(1000円)
・タマネギを除いたハヤシライスの材料費(900円)
【ケース3:④の直後に店長からハヤシライスを作るよう指示があった場合】
■全体の所要時間=(①+②+③+④)×2回=180分(3時間)
■ハヤシライス作成にかかった費用=5000円
<ハヤシライス作成にかかった費用の内訳>
・A君へのアルバイト代(1000円×3時間)
・カレーの材料費(1000円)
・ハヤシライスの材料費(1000円)
ケースを図にまとめると、下記のようになります。
このように工程が後ろになってから作る料理を変更すると、所要時間と費用がどんどんかかってしまいます。つまり、最初の方向性を誤ると、時間が経過するほどに軌道修正は大変になります。指示を出す店長が煮込み料理と言わず、チキンカレーもしくは牛肉のハヤシライスと伝えれば、最小の時間と費用で料理をアルバイトA君に作ってもらうことができていました。これは現実でも起きていることで、コロナが中国で蔓延し始めた際に、日本はすぐに中国からの国際線を封鎖していれば、日本国内のコロナ感染者数は今よりも少なかったでしょう。
最初の方向性を正しく決めること、ふわっとした状態で人に作業をさせないことが重要です。プロジェクトマネジメントの基本です。リーダーが最初の方針を誤っていなければ、部下が多少のミスをしても致命傷にはなりません。カレー作りであれば、にんじんやタマネギを少し大きく切った場合でも、煮込めば小さくなります。
追伸)プロジェクトマネジメントについて下記の本が参考になります。